ウソのようなホントのはなし
家庭の台所にあるちっちゃな浄水器もろ過装置と言えなくもないんだけど…、
あれはまぁ、イロイロ賛否があり過ぎるんでおいときます。(^^ゞ
今回はセントラル浄水器
セントラル浄水器の最大の特徴は、家じゅうの水を全部浄水に変えることです。
水道の大本で処理するから合理的だしコストパフォーマンスも高い。
飲み水だけじゃなくて、食器を洗ったりする水まで浄水が使えるので、手荒れをしやすい女性には魅力満載の浄水器です。
ところが、その最大の特徴を享受しようという時にろ過が不十分!なんて、なんともトホホな話があるんです。
住宅会社のモデルルームで見せてもらったセントラル浄水器は、大抵、このてのものでした。
どれもこれもアンダースペック
そんなバカな!と思うでしょうから
チョッと浄水リテラシーを含んでおきます
浄水技術の用語に 空間速度 というのがあります。
原水がろ過材料にどれだけ長く接触するかを示す数値で、
エスブイと言って設計のキモです。
(Space Velocityの頭文字)
水から固形物を分離するには、小さな網目で絡め取れば済むので接触時間は関係ありません。
いわば“漉し取り”です。
浄水器に使われる中空糸膜は、マイクロフィルターといって孔径の小さい膜ですが、これが“漉し取り”です。
小さいと言っても相手がウィルス、アスベスト、ダイオキシンとなると更に小さいので素通りしてしまいます。
けど、まぁ固形物は凝集沈殿法で取除いてるから、そもそも水道水には存在しないと考えてください。
問題は水に溶けている物質です
何かが溶け込んだ水を水溶液って云いますね。
その場合、濾材の接触時間と浄水能には密接な関係があります。
充分なろ過が出来るか出来ないかを、
(流量)÷(濾材体積)で求めて判断します。これがSVです。
数値が大きいと装置はコンパクトにはなりますが、ろ過能力が足りません。
数値が小さいとろ過能力は向上しますが、装置が大きく高額になります。
水道水で除去したい物質と言えば残留塩素と鉛です。
両方とも水溶性なんで、固形物のように一瞬では分離除去できません。
水が濾材に接触する一定の時間が必要なんです。
大地に降った雨が土壌に浸透し、
長い年月をかけて微生物によってろ過され、
再び地上に現れる清澄な湧水と似ています。
浄水器はそれなりの大きさにならざるを得ないのです。
で、ですねぇ(・o・)
私が見てきたセントラル浄水器なんですけど、
全量ろ過というには小さ過ぎるんですヨ、ドレもコレも。
家じゅうの水を浄水する、ってんだから
時間帯によっては複数の蛇口で一斉に
使われることがあるでしょ。
例えば 午後5時 ~ 午後10時
夕食の支度やあらいもの、
お風呂にシャワー、
洗面所やトイレ、
洗濯をするケースだって有るわけで…。
その時に役立ってこそセントラル浄水器なのに、「使用流量が多すぎて処理しきれない」って…(-“-)
そんなこと、もし機械屋さんが発注者さんに言ったら
ふざけるなー!
って追い返されちゃいますヨ(;_:)
役立つ浄水器か形ばかりの浄水器か?
これはピーク時の瞬時流量と濾材体積で判断できます。
浄水器を名乗るなら、取除きたい物質をリークさせるような不様なモノを作っちゃダメだとセンパイ技術者から教えられてきました。
かつては技術先進国と呼ばれた日本の工業界は、エンジニアのそうした矜持に支えられていたに違いない!
台所に置くちっちゃな装置なんて、
活水器だとか整水器だとか云って
はじめから浄水器とは云ってないし。
それもどうかと思うけどネ(^^ゞ
セントラル浄水器が気になってる人
原始的だけど、装置のサイズが一番分かりやすい見きわめポイントですよ。
ろ過筒の高さが50㎝もないようだと
アンダースペックの危険性が高いから。
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