次亜塩素酸水の噴霧器や二酸化塩素が安全て本当?

食品添加物だから安全』っていうけど・・・
 
新型コロナ禍に乗じて目立って増えてきた次亜塩素酸水など機能水の噴霧器。

これ調べれば調べるほどワケが分からなくなってしまうんです。
 
名前が似てて混乱するけど整理するとこんな感じ。
 ■強アルカリ性電解水
 ■電解次亜塩素酸水
 ■微酸性次亜塩素酸水(塩酸)
 ■弱酸性次亜塩素酸水
 ■強酸性次亜塩素酸水(食塩)
 ■二酸化塩素・・・チョッと異質です
 
これらはすべて、
細菌やウィルス退治に効果があって人畜無害として大々的にPRされてます。
 
曰く、水と塩からつくるので安全です、と。
 
ちょっと待ってくださいよぉ

水と塩だろうが水と塩酸だろうが、殺菌作用は飛び出す酸素の酸化力でしょ。

「弱酸性だから安全です」

「刺激臭もなく安心です」

なんて言ってるけど、
主成分はあくまで不安定極まりない次亜塩素酸なんですよネ。

いったい何と比べて安全だといってるの?
ほぼ毎日、次亜塩素酸を扱う私にはワケが分からない。

ひょっとして有効成分が失われてるから安全だと言ってんの?
そんなわけないか。

けど、厚労省が各都道府県に通達した
【社会福祉施設の感染拡大防止の留意点】には

『次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと』

って、指示してるんですよ。

宣伝文句とだいぶん違ってるやん
どうなってるの?

『次亜塩素酸水は人の健康を損なう恐れがないから食品添加物に認められている』
って言い草も、いくらなんでもヒド過ぎる!

食品添加物の指定を、安全性の担保とにおわせるのは悪質な印象操作ですよ。
 

そもそも次亜塩素酸の元になる次亜塩素酸ソーダが食品添加物なんです。

次亜塩素酸ソーダの腐食性は苛性ソーダに匹敵するし、目に入ったら角膜が侵されるし、ミスト吸引は気道・粘膜を侵すし、飲んだら食道・胃に孔が開くかもしれない、ってシロモノ。

そんな劇物指定されても不思議じゃない次亜塩素酸ソーダが食品添加物に指定されている以上、次亜塩素酸水もそう見なすってこと。

食品添加物だから安全だ、なんてとんでもない間違いです。

食品添加物には甘味料や色素みたいに食品に入っていいものと、次亜塩素酸水みたいに加工助剤として指定されてるものの2種類があるんです。

加工助剤は食品の加工に使ってもいいけど、食品の完成前に十分に洗って有効塩素が残らないようにしないといけない。

【食品衛生法の食品、添加物等の規格基準】には

『次亜塩素酸水は、最終食品の完成前に除去しなければならない。』とちゃんと書いてある。

勧めてる人は知らないのか?

知ってるのに隠してるのか?

それとも私が分かってないだけか?

『電解水は人の健康を損なう恐れはない』
って妙な所のエビデンスを引っ張り出してるモノもあった。

確かに浄水器か活水器かに多い飲用の電解水に健康を損なう恐れはないでしょう、もともと大した反応してないんだから。

けどソレとコレとじゃモノが違う

電解で弱酸性次亜塩素酸水を生成するには水と塩酸が要る。
塩酸は毒物及び劇物取締法で監視される腐食性の強い劇物。

食品添加物だからって飲んじゃダメですよ。

別の事案のエビデンスを都合よく織り込むのは、錯覚の意図的な誘導か?

ますます分からない

塩酸の代わりに塩を使って作る次亜塩素酸水もあります。

多くの菌種に効果的なpH2.7前後に調整した強酸性次亜塩素酸水です。

強酸も強アルも化学熱傷を起こすのは誰でも知ってることで、無害とは程遠い水の性状です。

なもんで、やっぱり次亜塩素酸水が安全だ、って話のワケが分からない。

人の居る空間での使用は、控えるに越したことはない。

気道や粘膜にダメージを与えないと言いきれないから。

現に使用上の留意点として
「生成装置の作動中は十分な換気を行うこと。」
と厚労省が通達してます。

逆に、汎用装置で作った次亜塩素酸をミストで飛ばす噴霧器の場合、薄まった次亜塩素酸に有効性がどれ程あるのかなぁ。

肝心なpHをコントロールする機構も無い、って聞くとやっぱり疑ってしまうんですよね。

それにね
噴霧器で飛ばしてもミストが届かないデッド・ゾーンは、室内にいくらでもできてしまうんです。

そこに在るウィルスは長時間生き続けるんだけど、見なかったことにしてウィルス対策の切り札とか言ってるのかしら。

例えばティッシュペーパーの襞、カーペット・クッション繊維の間隙、カーテンの裏なんて普通に手で触るけどミストは当たらないからウィルスは健在。

消毒できてる所もあるけど、出来てない所もたくさん残るからソコは各自で気をつけてね、ってことかしらん。

 ■消毒剤の空気中の濃淡
 ■消毒剤の接触面の粗密

こういった課題は依然として解消されてないよネ。

空間殺菌を簡単な消毒作業と考えてるならチョッとまずいと思う。

酸化剤を使用する限り、酸化作用は微生物だけでなく、私たちの細胞・器官にも障害を与えます。

次亜塩素酸ソーダも次亜塩素酸水も殺菌本体は同じ次亜塩素酸

『恩恵だけを受けて被害は受けない』など甘い幻想を信じてはいけない。

効果を得るには相応の副作用と引き換えだということ。

殊に消毒とはそういうものなんです。

次亜塩素酸水は消毒剤として認可されていません。

単に「効果的手洗い法」としての位置づけに過ぎず、手指の消毒ではないことが示されています。

4月にあった衆議院国会で
立憲民主党早稲田夕季議員の
次亜塩素酸水を手指の消毒に活用することに関する質問」に対し、内閣総理大臣はこう答弁したようです。

次亜塩素酸水については、現時点においては、手指の消毒に活用することについての有効性が確認されていない。

最後になりましたが、
医療分野で使われる次亜塩素酸発生装置のことを指しての意見ではありません。

殺菌力に一番影響するpH値がイマイチ明確でない一般家庭ユースの汎用装置の話です。

ソレ、ほんまに次亜塩素酸水ですか

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